2004.03.16
「好きな奴が勝つ」定理
CNET Japan : 年を取ってから後悔しない人生デザイン
http://blog.japan.cnet.com/umeda/archives/001073.html

大人気の梅田さんブログ、もちろん私もいつも読んでいる。しかし、クールな梅田さんまでもがこのテーマについて、こんなにストレートなことを書くとは思っていなかった。

私はこれを「好きな奴が勝つ」定理と呼んでいて、いわば私の信条みたいなものだ。プロフィールにも書いている。アンディ・グローブの有名な言葉「偏執狂だけが生き残る(Only the Paranoid Survive)」も、私はこの意味に解釈している。

以前、やはりCNET Japanでやっていたネットエイジの西川潔氏の連載でも、この「好きな奴が勝つ」定理がメインテーマみたいなものだった。

mojix.org : 西川潔 「起業家というキャリア」
http://mojix.org/2003/09/04/210257

ここで紹介されていたのが、Jeff Bezosの「regret minimization framework(後悔最小化フレームワーク)」だったのである。今回の梅田ブログのタイトルとほとんど同じだ。

きのう、私が以前書いたエントリー「「就活」中の学生へ」に対して、StylishIdea.com「六花亭に学ぶキャリアデザイン」からトラックバックをもらった。

私が書いたのは、<まじめに就活する学生は50、60社は普通に受けている>という新聞記事を読んで、そんなのは「まじめ」でもなんでもない、といったことだったが、これも当然「好きな奴が勝つ」定理からの帰結である。好きでもない仕事につくのは、自ら負けにいくようなものだ。

「六花亭に学ぶ~」で、araiさんは<インスピレーション>として、「21世紀ビジネス塾」「ゆびとま」と並んで、私のエントリーを挙げてくれている(<これを読んで、自分の就活は間違ってなかったなぁという気がした>と書かれているが、どんな就活だったのだろうか)。

araiさんは以前、少食ネタでもトラックバックをくれた。araiさんとはまだ会ったことがないが、こういうエントリーにトラックバックをくれる人というのは、きっと人生観のレベルで共鳴できる人にちがいない。

今回の梅田さんのエントリーでは、末尾に<「できること」より「好きなこと」を>という節があり、<これからの厳しい競争を勝ち抜くカギは、えっそれって競争だったの? 自然にやっていたから知らなかったよ! と言えることなのだ>と書いてある。

そうなのだ。人生に後悔しないための方法が、そのまま勝つための方法でもあるのだ。

私にとっては自明に思えるこの定理も、<まじめに就活する学生は50、60社は普通に受けている>ような社会では、それほど自明ではないように思える。その理由は、この定理を教えたり、証明できる人が少ないからではないだろうか。

むしろ、学校でも社会でも、「あきらめ」を教え込まされているような気がする。あきらめた大人が、若者に「あきらめ」を教えているのだ。あるいは、教えているつもりはなくても、知らず知らずのうちに、「あきらめ」は伝染する。

ぼんやりしていると、人生なんてあっというまに終わってしまう。チャレンジした結果の失敗は、本当の失敗ではない。あきらめて、チャレンジしないことが、最大の失敗だ。

何度でもチャレンジすれば、いつか成功する。