2004.09.22
オープンソースでもデータはオープンではない
CNET Japan : データの重要性を指摘するO'Reilly
http://blog.japan.cnet.com/umeda/archives/001654.html

3日にわたり、Tim O'ReillyのOpen Source Conventionでのキーノートスピーチを採り上げて解説してきた梅田ブログ

このTim O'Reillyのスピーチも、梅田さんの解説も実に面白く(私もTim O'Reillyのファンである)(Tim O'Reillyのほうは全部読んでいないが)、ああこれは書かなきゃと思っていたのだが、今日は「データ」のところにさしかかり、Tim O'Reillyのスピーチを追うのは今日で終わりのようなので、とりあえず今日の梅田ブログで採り上げられた点についてだけでも、書いておきたい。

Tim O'Reillyがソーシャル・ネットワークとデータのことに触れた話については、以前「いまのソーシャル・ネットワークはまだハックに過ぎない - Tim O'Reillyの見解」でも書いた。

AmazonやGoogle、eBayなどのサイトは新しい「killer app」であり、そこではLinuxやBSDなどのオープンソースが使われている、というのがTim O'Reillyの持論である。しかし同時に、そこでデータはオープンではなく、ロック・イン(囲い込み)されているのだ、というところに注意をうながしたのが、そこで触れたOSCON 2004の開幕講演であり、また今日の梅田ブログで採り上げている点だ。

GoogleがいずれOrkutを組み込むと発表していらい、これは見逃せないテーマだと私は考えるようになった(「Google、Orkutを統合へ / これからのソーシャルネットワーク技術の方向」)。勝負はもはやオープンソースとかいうレベルではなく(オープンソースはすでにコモディティ化・インフラ化しつつある)、「データの取り合い」に突入しているのだ。

その意味で、Googleはいくらオープンソースを使っていても、すでに挑戦者というよりはむしろ独裁者に近い、まるでMicrosoftのような「強い」ポジションにある(「Google、東京研究センター設立へ / セマンティック検索とGoogleの「方向」」)。デスクトップに参入してMicrosoftと激突するのも必然と言えるだろう。

いくら重要だと梅田さんが力説しても、Tim O'Reillyの長大なスピーチにちゃんと目を通す人は少ないだろう(私もまだ読んでいないし)。それに対し、「データの重要性を指摘するO'Reilly」というタイトルがついた今日の梅田ブログは、誰でも気楽に目を通せるし、何よりもテーマがはっきりしていて、わかりやすい。

この重要なテーマを、1回分を使ってきちんとフォーカスし、読みやすく紹介している梅田氏をあらためてリスペクトするとともに、私もこのトピックにより多くの人が注目することを願って、(あまりまとまっていないが)ひとまず書いておくことにする。