日本国債と富の偏在について素人なりに考える
さまざまな憂鬱とわたし : 狼はどこへ行ってしまったのか
http://d.hatena.ne.jp/mkusunok/20050924/p1
<東京に大地震がくるぞとか,いずれ日本国債が暴落して金利が暴騰するぞといった話は根拠を聞くと何だかそういう気分になってくるのだけれども,くるぞくるぞといわれて何年も来ないと「何とかなるんじゃねーの」という感じに感覚が麻痺してくる>。
そう、これは私も思う。日本の財政が破綻するという話は何年も前からあって、総選挙のときも日本の財政に警鐘を鳴らす声がたくさん聞かれた。
素人の私でも、日本の財政が問題ないはずがないことはわかるのだが、どのくらいヤバいのかの「実体」が見えてこない。ほんとうは破綻寸前なのか、それとも破綻しない理由があるのか。
日本国財政破綻Safety Net : 買ってはいけない日本国債、日銀が暴落の引き金を引く?
http://wanderer.exblog.jp/2255990/
これによれば、松井証券社長の松井道夫氏、楽天証券社長の國重惇史氏が揃って、国債は買うなと言っているらしい。松井氏は、
<日本国がベースになっているものは、とりあえずはずせ、ということ。国債なんて論外。日本円の紙幣を持つのもなるべく必要最小限にした方がよい。日本という国は信用しない方がいい>。
とまで言っているようだ。
R30::マーケティング社会時評 : マクロ経済って本当に難しい
http://shinta.tea-nifty.com/nikki/2005/09/macroeconomy_dd25.html
によると、
<金融の世界では、理論的にはとっくに価格暴落して破綻しているはずの日本国債がなぜいまだにそうならないのかは最大のパラドックス。理論の部分だけかじって「今すぐにでも破綻するぞ!」って叫ぶのは素人の証拠>
とあり、日本国債は理論的には破綻していてもおかしくないが、現実にはそうなっておらず、理論だけでは現状を説明できないようだ。
私なりの素人考えで、なぜ日本国債を買う人がいて、日本国債が破綻していないのかを考えてみた。
「日本国債を買う人が、なぜ買っているかの理由」
1 日本の国家財政の情報開示が不十分
日本の財政の実体が明らかでない(特別会計など)。じゅうぶんな情報開示・リスク開示がされていない。
これが企業であれば、エンロンやカネボウなどのように、犯罪になるところだろう。
2 国債購入者のマネーリテラシー不足
CMで見たり、証券会社の営業などに薦められて、よくわからずに買っているだけ。
仮に財政の実体が完全に明らかになっても、日本国債がトクか損か判断できない人が買っている。
3 日本国債が紙クズになる覚悟をしている
仮に完全な情報開示がなされ、日本国債がトクではないことがわかっていても、日本を崩壊させないために、買ってあげている。つまり、日本国債が「不良債権」化し、紙クズになってもいいという覚悟をしている。
以上の1~3のどれか、あるいはその複数が、国債を買う理由なんじゃないかと思う。
そして個人的には、仮に財政が立て直され、国債が完済されたとしても、真の問題は「富の偏在」だと思っている。
404 Blog Not Found : 素人の、素人による、素人のための経済学
http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/50102866.html
<公私まで含めた日本国全体としてはそうだろう。確かに債務超過しているのは日本だけではない。問題は、その日本国内における、政府(公)と国民(私)、高齢者(老)と勤労者(若)における資金の偏りなのである>。
私も、これが問題の核心だと思う。
国債を買うとは、国にお金を貸すことだが、主に国債を持っているのは高齢者の金持ちだと思う。よって現在は、高齢者が国にお金を貸している状態。
日本国は国民から税金をとって、そのお金を日本国運営のコストと、借金の返済にあてる。
つまり勤労者は、税金を払い、年金も払って、取られ放題。いっぽう高齢者は、借金を返してもらって、さらに年金も受け取る。これでは、資産がどんどん高齢者の金持ちに偏っていく。
日本を会社にたとえれば、高給取りの役員ばかり増えていて、現場の社員は減っており、さらに給料が下がっているような、そんな状況だろう。これでは、現場の社員はやる気をなくし、辞めていく。そうすれば、いずれ会社自体がつぶれてしまうのだ。このとき、役員は自分で自分の首を絞めたことになる。
国債や、税金のムダづかいももちろん問題であり、真の「構造改革」・リストラが求められていると思うが、その背後にある、この富の偏りこそ最大の問題ではないだろうか。ただでさえ高齢化・少子化社会だというのに。
これは、万人が平等たるべしという共産主義のような話ではない。お金ではなく実体価値を生み出している働き手が減ったり、やる気をなくせば、日本の基盤もろとも崩壊しかねないという話だ。
日本という国も、円という通貨も、働き手が生み出す実体価値に支えられている。実体価値を増やすほうに政策を打たなければならないのに、富の自己増殖・偏在化が進み、やる気をなくす方向に行っている気がしてならない。
価値を生み出せる人は、正しく評価されていない、報われていないと感じたら、もっとマシなところに行こうと思うものだ。「できる人から抜けていく」現象が進めば、日本は空洞化に向かうだろう。
アップデート (9/27) :
Espresso Diary@信州松本に、この内容に大いに関係しているエントリが載りました。
Espresso Diary@信州松本 : 債券市場は、なぜ強い。
http://blog.livedoor.jp/takahashikamekichi/archives/50026383.html
http://d.hatena.ne.jp/mkusunok/20050924/p1
<東京に大地震がくるぞとか,いずれ日本国債が暴落して金利が暴騰するぞといった話は根拠を聞くと何だかそういう気分になってくるのだけれども,くるぞくるぞといわれて何年も来ないと「何とかなるんじゃねーの」という感じに感覚が麻痺してくる>。
そう、これは私も思う。日本の財政が破綻するという話は何年も前からあって、総選挙のときも日本の財政に警鐘を鳴らす声がたくさん聞かれた。
素人の私でも、日本の財政が問題ないはずがないことはわかるのだが、どのくらいヤバいのかの「実体」が見えてこない。ほんとうは破綻寸前なのか、それとも破綻しない理由があるのか。
日本国財政破綻Safety Net : 買ってはいけない日本国債、日銀が暴落の引き金を引く?
http://wanderer.exblog.jp/2255990/
これによれば、松井証券社長の松井道夫氏、楽天証券社長の國重惇史氏が揃って、国債は買うなと言っているらしい。松井氏は、
<日本国がベースになっているものは、とりあえずはずせ、ということ。国債なんて論外。日本円の紙幣を持つのもなるべく必要最小限にした方がよい。日本という国は信用しない方がいい>。
とまで言っているようだ。
R30::マーケティング社会時評 : マクロ経済って本当に難しい
http://shinta.tea-nifty.com/nikki/2005/09/macroeconomy_dd25.html
によると、
<金融の世界では、理論的にはとっくに価格暴落して破綻しているはずの日本国債がなぜいまだにそうならないのかは最大のパラドックス。理論の部分だけかじって「今すぐにでも破綻するぞ!」って叫ぶのは素人の証拠>
とあり、日本国債は理論的には破綻していてもおかしくないが、現実にはそうなっておらず、理論だけでは現状を説明できないようだ。
私なりの素人考えで、なぜ日本国債を買う人がいて、日本国債が破綻していないのかを考えてみた。
「日本国債を買う人が、なぜ買っているかの理由」
1 日本の国家財政の情報開示が不十分
日本の財政の実体が明らかでない(特別会計など)。じゅうぶんな情報開示・リスク開示がされていない。
これが企業であれば、エンロンやカネボウなどのように、犯罪になるところだろう。
2 国債購入者のマネーリテラシー不足
CMで見たり、証券会社の営業などに薦められて、よくわからずに買っているだけ。
仮に財政の実体が完全に明らかになっても、日本国債がトクか損か判断できない人が買っている。
3 日本国債が紙クズになる覚悟をしている
仮に完全な情報開示がなされ、日本国債がトクではないことがわかっていても、日本を崩壊させないために、買ってあげている。つまり、日本国債が「不良債権」化し、紙クズになってもいいという覚悟をしている。
以上の1~3のどれか、あるいはその複数が、国債を買う理由なんじゃないかと思う。
そして個人的には、仮に財政が立て直され、国債が完済されたとしても、真の問題は「富の偏在」だと思っている。
404 Blog Not Found : 素人の、素人による、素人のための経済学
http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/50102866.html
<公私まで含めた日本国全体としてはそうだろう。確かに債務超過しているのは日本だけではない。問題は、その日本国内における、政府(公)と国民(私)、高齢者(老)と勤労者(若)における資金の偏りなのである>。
私も、これが問題の核心だと思う。
国債を買うとは、国にお金を貸すことだが、主に国債を持っているのは高齢者の金持ちだと思う。よって現在は、高齢者が国にお金を貸している状態。
日本国は国民から税金をとって、そのお金を日本国運営のコストと、借金の返済にあてる。
つまり勤労者は、税金を払い、年金も払って、取られ放題。いっぽう高齢者は、借金を返してもらって、さらに年金も受け取る。これでは、資産がどんどん高齢者の金持ちに偏っていく。
日本を会社にたとえれば、高給取りの役員ばかり増えていて、現場の社員は減っており、さらに給料が下がっているような、そんな状況だろう。これでは、現場の社員はやる気をなくし、辞めていく。そうすれば、いずれ会社自体がつぶれてしまうのだ。このとき、役員は自分で自分の首を絞めたことになる。
国債や、税金のムダづかいももちろん問題であり、真の「構造改革」・リストラが求められていると思うが、その背後にある、この富の偏りこそ最大の問題ではないだろうか。ただでさえ高齢化・少子化社会だというのに。
これは、万人が平等たるべしという共産主義のような話ではない。お金ではなく実体価値を生み出している働き手が減ったり、やる気をなくせば、日本の基盤もろとも崩壊しかねないという話だ。
日本という国も、円という通貨も、働き手が生み出す実体価値に支えられている。実体価値を増やすほうに政策を打たなければならないのに、富の自己増殖・偏在化が進み、やる気をなくす方向に行っている気がしてならない。
価値を生み出せる人は、正しく評価されていない、報われていないと感じたら、もっとマシなところに行こうと思うものだ。「できる人から抜けていく」現象が進めば、日本は空洞化に向かうだろう。
アップデート (9/27) :
Espresso Diary@信州松本に、この内容に大いに関係しているエントリが載りました。
Espresso Diary@信州松本 : 債券市場は、なぜ強い。
http://blog.livedoor.jp/takahashikamekichi/archives/50026383.html