2005.11.16
リーダーシップとパワー
デイブ・ワイナーが、リーダーシップとパワーの違いについて書いている。

Scripting News - Leadership vs Power
http://www.scripting.com/2005/11/15.html#leadershipVsPower

<At lunch yesterday with Ethan Diamond, a developer at Yahoo, who has personal qualities that make him a leader, I said that Yahoo has the opportunity to be a leader. I believe that, more than Microsoft, more than Google, both of which are powerful, both of whom, tragically -- are not leaders.>

(大意:きのうイーサン・ダイアモンドとランチした。彼はYahooの開発者で、リーダーの素質を持っている。私は彼に、Yahooはリーダーになれるチャンスがある、と言った。Microsoftよりも、Googleよりも、Yahooはリーダーになれるチャンスがあると思う。MicrosoftもGoogleも、パワーはあるが、残念ながらリーダーとはいえない。)

この一節は、私の胸にひびいた。

自らついていきたい気持ちにさせるのが「リーダーシップ」で、
力ずくで支配してしまうのが「パワー」だろう。
たしかに、その2つは別のものだ。

私はこれまで、優れたリーダーシップを感じさせる人間に何人か会ったことがある。

それらの人に共通の特徴は、

- フレンドリーで、いばらない
- ほめるのがうまく、叱らない
- 話や質問がうまい
- 知識やスキルもあるが、それをひけらかさない

といったものだった。

そして、地位や権力というパワー、「強制力」はまったく使わない。
相手の考えを変えることが必要な場合でも、あくまでも、ソフトな「説得」なのだ。

人間は何かをやるとき、それを「自分から選んだ」と思うか、「仕方なくやらされている」と思うかで、
モチベーションや満足感に大きな開きが出る。

相手を動かすのにいつもパワーを用いていると、自分の望む方向に一時的には動かせるかもしれないが、
相手の中に不満がたまってくる。それがいつか、崩壊の引き金になる。
納得していない人と、まともなコラボレーションはできないだろう。

パワーは一種の「武力」なのだ。
それをちらつかせて相手を従わせるのは簡単だが、相手の「心」はついてこない。
その「心」をとらえるのが、リーダーシップなのだろう。

まさに、「北風と太陽」だ。


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