景気対策に「負の消費税」はどうか?
kmoriのネタままプログラミング日記 - 公共投資or減税
http://d.hatena.ne.jp/kmori58/20090121/p1
<日本の財政学者といえばこんな状況でも財政再建と増税しか言わない人達ばかりでうんざりしているが、アメリカの財政学者コトリコフ(アメリカの財政破綻を心配している)は違っていて、独自の財政刺激案を提案していた>。
<彼の案は基本的には減税だけれども、所得税ではなく消費税を下げるというもの。アメリカでは連邦消費税はないので、州税分を連邦政府が負担し、元々の税率が低い州や消費税がない州ではいっそ負の消費税をやってしまえとまで言っている>。
ミルトン・フリードマンが提唱した「負の所得税」(最低所得保障の一方法)は比較的知られているが、「負の消費税」というのは私は初めて聞いた。
しかしそう言われてみれば、これは景気対策としてはベストの方法じゃないだろうか。
このkmoriさんのエントリは、himaginaryさんの「減税は是か非か?」というエントリを受けて書かれたもの。景気刺激策として公共投資と減税のどちらがいいかという話題で、公共投資の有効性に関する「小野善康の批判」を紹介したうえで、上記のコトリコフ案、「負の消費税」に言及している。
「負の消費税」について、kmoriさんは<所得税減税よりも過激な刺激策>、<財源が問題になるものの、減税分が貯蓄にまわる恐れはないという利点がある>と書いているが、まったくその通りだろう。過激だが、公共投資のようなムダもなく、(所得税の)減税のように貯め込まれる恐れもなく、もっとも即効的だ。
例えば、消費税が「マイナス5%」になることを考えてみてほしい。いま105円のものは95円になり、1050万円のものは950万円になるのだ。つまり、どの店に行っても、あらゆるものが、1割引になる。その1割を、政府が負担するわけだ。
もちろん、これをずっと続けることはできないにしても、例えば1年くらいの時限措置であれば、可能ではないだろうか。現状の消費税収入は12兆円程度らしいので、マイナス5%なら24兆円、消費が増えたとしても30兆円くらいの出費だろうか。定額給付金の2兆円より規模は大きくなるが、全額確実に使われる上に、さらに消費を促進する。政府が出す1割は、企業の納税時に数字の上で精算すればいいだけなので、国民全員にいちいちカネを配るような面倒もない。
これを1年だけでもやれば、家やクルマなどの高額商品をはじめ、家電やコンピュータ、ケータイなど、「この1年のうちに買っておこう」という消費が増える。旅行などのサービス消費も増えるだろう。
もし自民党がこれを打ち出したら、風向きも変わるのではないか?「最初の1年はマイナス5%、2年目は0%、3年目から現状の5%に戻します」くらいの案を出してきたら、面白くなってくるだろう。
国民が不満なのは、とにかく「税金のムダ使い」、これに尽きる。当面、消費税を上げるのではなくむしろ下げて、そのあいだに「埋蔵金」も吐き出し、政府のムダ使いを徹底的になくしていけば、ちょうどいいと思う。自民党は「3年後に消費税を上げます」じゃなくて、「3年かけて政府のムダ使いをやめます、そのあいだ消費税は上げません」と言うべきなのだ。
関連:
Wikipedia - Laurence Kotlikoff
http://en.wikipedia.org/wiki/Laurence_Kotlikoff
負の消費税を提案しているアメリカの財政学者「コトリコフ」はこの人。あのマイク・グラベルのアドバイザーだったらしい。
http://d.hatena.ne.jp/kmori58/20090121/p1
<日本の財政学者といえばこんな状況でも財政再建と増税しか言わない人達ばかりでうんざりしているが、アメリカの財政学者コトリコフ(アメリカの財政破綻を心配している)は違っていて、独自の財政刺激案を提案していた>。
<彼の案は基本的には減税だけれども、所得税ではなく消費税を下げるというもの。アメリカでは連邦消費税はないので、州税分を連邦政府が負担し、元々の税率が低い州や消費税がない州ではいっそ負の消費税をやってしまえとまで言っている>。
ミルトン・フリードマンが提唱した「負の所得税」(最低所得保障の一方法)は比較的知られているが、「負の消費税」というのは私は初めて聞いた。
しかしそう言われてみれば、これは景気対策としてはベストの方法じゃないだろうか。
このkmoriさんのエントリは、himaginaryさんの「減税は是か非か?」というエントリを受けて書かれたもの。景気刺激策として公共投資と減税のどちらがいいかという話題で、公共投資の有効性に関する「小野善康の批判」を紹介したうえで、上記のコトリコフ案、「負の消費税」に言及している。
「負の消費税」について、kmoriさんは<所得税減税よりも過激な刺激策>、<財源が問題になるものの、減税分が貯蓄にまわる恐れはないという利点がある>と書いているが、まったくその通りだろう。過激だが、公共投資のようなムダもなく、(所得税の)減税のように貯め込まれる恐れもなく、もっとも即効的だ。
例えば、消費税が「マイナス5%」になることを考えてみてほしい。いま105円のものは95円になり、1050万円のものは950万円になるのだ。つまり、どの店に行っても、あらゆるものが、1割引になる。その1割を、政府が負担するわけだ。
もちろん、これをずっと続けることはできないにしても、例えば1年くらいの時限措置であれば、可能ではないだろうか。現状の消費税収入は12兆円程度らしいので、マイナス5%なら24兆円、消費が増えたとしても30兆円くらいの出費だろうか。定額給付金の2兆円より規模は大きくなるが、全額確実に使われる上に、さらに消費を促進する。政府が出す1割は、企業の納税時に数字の上で精算すればいいだけなので、国民全員にいちいちカネを配るような面倒もない。
これを1年だけでもやれば、家やクルマなどの高額商品をはじめ、家電やコンピュータ、ケータイなど、「この1年のうちに買っておこう」という消費が増える。旅行などのサービス消費も増えるだろう。
もし自民党がこれを打ち出したら、風向きも変わるのではないか?「最初の1年はマイナス5%、2年目は0%、3年目から現状の5%に戻します」くらいの案を出してきたら、面白くなってくるだろう。
国民が不満なのは、とにかく「税金のムダ使い」、これに尽きる。当面、消費税を上げるのではなくむしろ下げて、そのあいだに「埋蔵金」も吐き出し、政府のムダ使いを徹底的になくしていけば、ちょうどいいと思う。自民党は「3年後に消費税を上げます」じゃなくて、「3年かけて政府のムダ使いをやめます、そのあいだ消費税は上げません」と言うべきなのだ。
関連:
Wikipedia - Laurence Kotlikoff
http://en.wikipedia.org/wiki/Laurence_Kotlikoff
負の消費税を提案しているアメリカの財政学者「コトリコフ」はこの人。あのマイク・グラベルのアドバイザーだったらしい。