大きい会社と小さい会社で、商品・サービスの質が高いのはどちらか
大きい会社と小さい会社を比べた場合、一般に、商品・サービスの質が高いのはどちらだろうか。
大きい会社の強みとは、結局のところ「規模の力」だ。規模が大きいので、宣伝力や知名度で勝る場合が多く、また小さな会社に比べて財務的にも安定している場合が多いので、取引に安心感があるだろう。
また、販売する商品が大量生産型であるような場合は、「規模の力」が有利に働く。大量に作れば作るほど、1個あたりのコストは安くなるので、大量に売る力がある会社、シェアが高い会社ほど、その点では有利になる。
では、つねに大きい会社が優れているかというと、決してそうではない。大きい会社のほうが有名だったり、財務的には安定していたとしても、その商品・サービスの質が高いとは限らない。
小さな会社は、知名度や財務安定性では大きい会社にかなわないので、提供する商品・サービスの質まで低いとなると、存在する意味がなくなってしまう。だから、商品・サービスの質は高かったり、値段が安かったりする。
そして、知識のある買い手、「賢い消費者」は、このことがわかっている。あまり知識のない買い手は、商品・サービスの内容そのものを判断できず、ただ有名な会社のものを買ったりしやすい。しかし知識のある買い手は、内容を吟味して「いいもの」を自分で選択できるので、小さな会社のものを選ぶことができる。
また質が同じで値段が安いという場合も、小さな会社のものは大きい会社のものに比べてあまり流通していないので、「それがどこにあるか」「どこが安いか」という情報を知っていることが差別化のポイントになる。ある程度熱心な買い手でなければ、この情報を手に入れられない。
ではなぜ、小さい会社は、商品・サービスの質を高くしたり、値段を安くしたりできるのだろうか。これは、小さい会社のほうが給料が安いとか、たくさん働いているといった要因もあると思うが、もっとも大きい要因は「組織のムダが少ない」ことだと思う。
小さい会社は、「余計な人」が存在しうる余地が少ないので、商品・サービスの価格にそのコストが乗ってくる割合が少ない。まずこれが価格競争力になる。表向きの値段が同じであっても、大きい会社のもののほうが「中身が薄い」ような場合もけっこうある。
ただし、大量生産型の商品の場合は、大きい会社の「規模の力」にかなわない面が大きいので、この要因が効いてくるのは、大量生産型ではない場合が多いだろう。小ロットとか、手作りとか、サービス業などの場合は、この要因が効きやすい。
また小さい会社は、経営判断するトップと、現場の人間のあいだに間接人員が少ないので、大きい会社に比べて、意思決定が迅速になる。特にサービス業などの場合、小さい会社のほうが現場の人間に与えられている権限が大きく、よって責任感も強くなりやすいので、それが質に反映しやすい。
ただし、仕事の環境や手順などは、大きい会社のほうが確立している場合が多いので、サービス内容が定型化しやすいものの場合は、大きい会社のほうが優れていることも多い。また、現場の人間のスキル・個人差も効いてくることは言うまでもない。
結局のところ、大きい会社と小さい会社でどちらの商品・サービスの質が高いかは、その商品・サービスがどんなものかにもよるし、もちろんそれ以上に、会社ごとの個性や力量によるところも大きい。しかし一般的な傾向として、「規模」「定型化」が効いてくるような場合は大きい会社が有利で、「スピード」「柔軟性」が要求されるような場合は小さい会社が有利だ、というのは言えそうに思う。
関連エントリ:
「入りにくい店ほどおいしい」の法則
http://mojix.org/2009/01/28/hairinikui_oishii
大きい会社の強みとは、結局のところ「規模の力」だ。規模が大きいので、宣伝力や知名度で勝る場合が多く、また小さな会社に比べて財務的にも安定している場合が多いので、取引に安心感があるだろう。
また、販売する商品が大量生産型であるような場合は、「規模の力」が有利に働く。大量に作れば作るほど、1個あたりのコストは安くなるので、大量に売る力がある会社、シェアが高い会社ほど、その点では有利になる。
では、つねに大きい会社が優れているかというと、決してそうではない。大きい会社のほうが有名だったり、財務的には安定していたとしても、その商品・サービスの質が高いとは限らない。
小さな会社は、知名度や財務安定性では大きい会社にかなわないので、提供する商品・サービスの質まで低いとなると、存在する意味がなくなってしまう。だから、商品・サービスの質は高かったり、値段が安かったりする。
そして、知識のある買い手、「賢い消費者」は、このことがわかっている。あまり知識のない買い手は、商品・サービスの内容そのものを判断できず、ただ有名な会社のものを買ったりしやすい。しかし知識のある買い手は、内容を吟味して「いいもの」を自分で選択できるので、小さな会社のものを選ぶことができる。
また質が同じで値段が安いという場合も、小さな会社のものは大きい会社のものに比べてあまり流通していないので、「それがどこにあるか」「どこが安いか」という情報を知っていることが差別化のポイントになる。ある程度熱心な買い手でなければ、この情報を手に入れられない。
ではなぜ、小さい会社は、商品・サービスの質を高くしたり、値段を安くしたりできるのだろうか。これは、小さい会社のほうが給料が安いとか、たくさん働いているといった要因もあると思うが、もっとも大きい要因は「組織のムダが少ない」ことだと思う。
小さい会社は、「余計な人」が存在しうる余地が少ないので、商品・サービスの価格にそのコストが乗ってくる割合が少ない。まずこれが価格競争力になる。表向きの値段が同じであっても、大きい会社のもののほうが「中身が薄い」ような場合もけっこうある。
ただし、大量生産型の商品の場合は、大きい会社の「規模の力」にかなわない面が大きいので、この要因が効いてくるのは、大量生産型ではない場合が多いだろう。小ロットとか、手作りとか、サービス業などの場合は、この要因が効きやすい。
また小さい会社は、経営判断するトップと、現場の人間のあいだに間接人員が少ないので、大きい会社に比べて、意思決定が迅速になる。特にサービス業などの場合、小さい会社のほうが現場の人間に与えられている権限が大きく、よって責任感も強くなりやすいので、それが質に反映しやすい。
ただし、仕事の環境や手順などは、大きい会社のほうが確立している場合が多いので、サービス内容が定型化しやすいものの場合は、大きい会社のほうが優れていることも多い。また、現場の人間のスキル・個人差も効いてくることは言うまでもない。
結局のところ、大きい会社と小さい会社でどちらの商品・サービスの質が高いかは、その商品・サービスがどんなものかにもよるし、もちろんそれ以上に、会社ごとの個性や力量によるところも大きい。しかし一般的な傾向として、「規模」「定型化」が効いてくるような場合は大きい会社が有利で、「スピード」「柔軟性」が要求されるような場合は小さい会社が有利だ、というのは言えそうに思う。
関連エントリ:
「入りにくい店ほどおいしい」の法則
http://mojix.org/2009/01/28/hairinikui_oishii