2009.07.18
「小さな政府」、構造改革、経済成長路線の新党を待望する
衆議院議員 山内康一 の「公募新人奮闘記」 - 党内の麻生政権支持率
http://yamauchi-koichi.cocolog-nifty.com/blog/2009/07/post-5b14.html

<麻生政権発足以来、構造改革路線の否定と、
旧来型のバラマキ政治の復権が目立つように感じます>。

<ふと気付いたら4年もたたずに、
自民党内で構造改革派は絶滅危惧種になり、
民主党と反構造改革競争を行っているように見えます>。

私もまったく同じ印象を持つ。
いまや自民党と民主党は、バラマキの額が違うくらいの小さな差で、どちらも「反構造改革」路線になってしまった。
自民党内の構造改革派の力が後退して、日本の政治から真の「対立軸」が消えてしまったのだ。

<民主党政権になれば、郵政民営化の見直しや、
高速道路料金無料化といった再国有化が進みます。
大きな政府へ逆戻りです。
公務員の労組に支えられた政党に、
霞が関改革や地方分権改革が進められるのか、
大いに疑問に感じます>。

この疑問は私も共有しているが、万年与党だった自民党の「しがらみ」がないことで、民主党のほうが霞が関改革を進めやすい面はあると思う。

しかし、民主党の「大きな政府」志向は疑いがなく、この点では自民党以上に危険だ。派遣規制や最低賃金規制といった労働政策だけ見ても、民主党には安易な正義感だけで反成長的な規制に走る「統制」志向が目立つ。これは日本の雇用をさらに壊滅させ、大企業の国外流出と中小企業の倒産を加速させるだろうが、実際に失敗して痛い思いをするまで理解できないのだろう。それで失業する人や倒産する会社はたまったものではないが、愚策が愚策であることを日本国民自体が理解していないんだから、それがわかるようになるまで、愚策はどこまでも続く。

日本には「小さな政府」を志向する政党が存在しない。小泉自民党がそれに近かったが、山内氏が書いているように、いまや自民党内でも小泉路線は「絶滅種」だ。私の印象では、小泉元首相は人気があって一時的に担がれていただけで、小泉時代を経ても自民党の「体質」そのものはやはり変わらなかったのだという気がする。

山内氏のような構造改革派、「小さな政府」を志向する政治家は、いまこそ自民党を出て、新党を作って欲しい。自民党内で構造改革派・「小さな政府」派が主流になれないことはもう明らかだろうし、いまやこれほど劣勢な自民党にいても「数のメリット」はもう薄いだろうから、いっそ自民党を出たほうがいいと思う。またそのことで、自民党の論理や派閥より、自分の政策や信念を優先することをより明確にアピールできると思う。

「小さな政府」を基本方針とする政党がいまの日本にできれば、それなりに支持を集めるはずだ。私の予想では、まず経済人を中心とした自民党支持層の一部は、この政党に流れる。さらに、いわゆる「無党派層」の一部もこの政党に共感するだろう。「無党派層」とは決して「無関心層」なのではなく、いまの日本には支持できるマトモな政党がない、と判断している人が大半のはずだ。この層は数としては相当に大きく、小泉自民党の大勝利をもたらしたのも主にこの層だ。小泉自民党はまさに「小さな政府」路線だったわけだから、この層のうちいまでも「小さな政府」に共感する人は少なくないと思う。日本には「小泉・竹中路線が日本を潰した」と考えるような人もいるが、少なくとも「小さな政府」志向の人間はそうは考えず、むしろ日本を救ったと考えるだろう。

現時点では優勢の民主党も、自民党以上に「寄せ集め」の政党だ。民主党の政治家や、民主党支持層の一部にも、民主党の規制路線・反成長路線はダメだということを理解している「経済派」がそれなりにいるはずだ。いずれ民主党が政権を取ったとしても、民主党はつねに「寄せ集め」であることの矛盾を内包しているので、分裂に向かう局面が必ず来るだろう。そのとき、「小さな政府」志向の政党があれば、大きな意味を持つことになる。

いまの自民党も民主党も、構造改革でなくバラマキで経済が復活すると考えているらしきところが、なんとも絶望的だ。政権を取りそうな民主党も、霞が関改革をやると言いながら、郵政の再国有化や労働規制強化など、自分がどっちを向いているのかわかっていない混乱ぶりが痛い。私も支持できる政党が見当たらない「無党派層」だ。いまの日本で、どこかの政党が支持できるという人のほうが、私からすれば不思議だ。

ただでさえ規制が多すぎ、税金が高すぎるいまの日本で、これ以上規制を増やしたり、税金を上げようとする政治家は、私は一切認めない。「規制緩和」と「減税」以外に、日本経済を救う方法はないのだ。「小さな政府」、構造改革、経済成長路線の新しい政党が出てきて、日本の政治に真の「対立軸」をもたらしてくれることを、私は待望している。


関連エントリ:
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