2011.02.22
ハンロンの剃刀「無能で説明できる現象に悪意を見出すな」
asahi.com : 勝間和代の人生を変える「法則」
問題は悪意よりも無知から生じる――ハンロンの剃刀(2011年2月21日10時28分)
http://www.asahi.com/business/topics/katsuma/TKY201102200201.html

<「ハンロンの剃刀(かみそり)」とは、「相手の行為が単なる愚かさで説明できるのであれば、必要以上に悪意を想定しようとしてはいけない」ということを現した定理です>。

<米国の著名なSF作家、ロバート・A・ハインラインが著書『帝国の論理』の中で類似の概念を引用したり、同国のハッカー用語集「ジャーゴンファイル」に採用されたりしたことで一気に広まりました>。

<ハンロンの剃刀を知ると、何か不満が生じたり、トラブルに遭ったりした場合、相手の態度が本当に悪意に基づくものなのか、純粋に無知や愚かさに基づくものなのか、一瞬待ってから判断する癖がつくようになります。そして、ほとんどの場合、実は悪意によるものは大変少なく、ほとんどが後者なのです>。

「ハンロンの剃刀(かみそり)」、私は知らなかった。この考え方には賛同できる。

ウィキペディアにも項目があるので、わりと有名なのだろうか。

ウィキペディア - ハンロンの剃刀
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F..

<ハンロンの剃刀(ハンロンのかみそり)とは、オッカムの剃刀の言い替えとして使用される言葉。あるいはフィネグルの法則の一定理である>。

<「無能で説明できる現象に悪意を見出すな(直訳:まさか、愚かさによって充分に説明できるものを悪意のせいにする必要なんかありません。)」という言葉で説明される。例えば製品に欠陥があったとしても、それは製品が不良(企業が無能、愚か)なのであって、消費者を困らせるために企業が悪意を持って欠陥を忍ばせたわけではない>。

勝間氏が書いている、ミスや間違いはほとんどの場合、無知や愚かさに基づくもので、悪意に基づくものは大変少ない、というのはその通りだと思う。

私は皮肉やイヤミが嫌いだ。悪口も嫌いだが、悪口はたいてい無内容なことが明白なので、その意味では無害だとも言える。これに対して皮肉やイヤミは、相手の「悪意」を勝手に捏造するようなところがある。そこが、ただの悪口よりもいやらしく、タチが悪いと思う。

ポジショントークだ」という批判なども、これと似ている。単に主張の間違いを指摘するなり、反論すればいいのに、相手が悪意を持っていて、わざと「ポジショントーク」しているかのように決めつけている。相手の悪意を捏造し、一種の「冤(えん)罪」を生み出しているのだ。


関連エントリ:
ポジショントーク大歓迎
http://mojix.org/2010/01/18/position_talk_welcome
コミュニケーションはコラボレーション
http://mojix.org/2008/11/09/communication_is_collaboration
反論ヒエラルキー
http://mojix.org/2008/04/13/disagreement_hierarchy