2011.03.08
ウェブは新聞でも、テレビでも、本でもなく、ウェブ自体である
少し前にSimpleBits引用されていたPaul Fordという人の言葉。

Ftrain.com - The Web Is a Customer Service Medium
http://www.ftrain.com/wwic.html

<..people in the newspaper industry saw the web as a newspaper. People in TV saw the web as TV, and people in book publishing saw it as a weird kind of potential book. But the web is not just some kind of magic all-absorbing meta-medium. It's its own thing.>

(大意:新聞業界の人間は、ウェブは新聞だと思っている。テレビ業界の人間は、ウェブはテレビだと思っている。出版業界の人間は、ウェブは本みたいなものの変種だと思っている。しかし、ウェブはすべてを包括するメタ・メディアのようなものではない。ウェブはウェブ自体である。)

これに少し似た話を、以前「現実仮想空間」というエントリで書いたことがある。

現実仮想空間
http://mojix.org/2004/02/20/073257

<「現実仮想空間」は、現実のコピー(ミラー)でもなく、逆に純然たるフィクションというのでもない、いわば「図」のようなポジションにある。具体的には、「Web」がまさにそれだ>。

<「Web」がなんなのか、私はずっと考えてきた。それは雑誌のようでもあり、建築のようでもある。Webは雑誌にも、建築にも、あるいはテレビなどにも、それぞれ似ている点がある。しかしやはり、Webはきわめて独自のものだと言うしかない気がしている>。

<mojix.orgが現実なのか、創作なのか、それはいったい「どこにある」のかの捉えがたさは、「Web」という新しい存在、その「現実仮想空間」的なポジションに由来していると思う>。

ウェブはいろいろなものに似ているが、何と比較しても、その類似には限界がある。結局のところは、ウェブはウェブ自体であるというしかない。


ネタ元:
SimpleBits - Paul Ford
http://simplebits.com/notebook/2011/01/09/paul-ford/

関連エントリ:
現実仮想空間
http://mojix.org/2004/02/20/073257