朝日新聞デジタル - 新党「反ＴＰＰ」結成　代表に山田氏、亀井氏は幹事長（2012年11月19日21時57分）
http://www.asahi.com/politics/update2/1119/TKY201211190632.html

＜亀井静香前国民新党代表と民主党に離党届を出した山田正彦元農林水産相が１９日、記者会見し、新党の結成を発表した。環太平洋経済連携協定（ＴＰＰ）交渉への参加反対を掲げ、党名は「反ＴＰＰ・脱原発・消費増税凍結を実現する党（略称・反ＴＰＰ）」とする。山田氏が代表、亀井氏が幹事長に就く＞。

「ラスト・モンスター」亀井静香が動いた。袂を分かった石原氏が維新に加わったのに対して、亀井氏はみずから新党を結成。その名も「反ＴＰＰ」。これは笑う。

正式名は「反ＴＰＰ・脱原発・消費増税凍結を実現する党」で、略称が「反ＴＰＰ」。政策をそのまま政党名にしてしまうという、強引すぎるネーミングだ。これに比べると、「みんなの党」「たちあがれ日本」なんて、かわいいものだった。

政党名としての扱いにくさでは、「国民の生活が第一」と近いだろう。しかしこちらは「反ＴＰＰ」であり、政策がそのまま入っている。新聞やテレビで言及されるとき、いちいち「反ＴＰＰ」と出てくるわけで、これはたしかに強烈である。この強引さには、SEO（サーチエンジン最適化）に似たものを感じる。

「反ＴＰＰ」はいわゆるシングルイシュー政党（単一の目的に特化した党）であり、シングルイシューを３つ並べたものとも言える。ＴＰＰ、原発、消費増税はたしかに大きな争点なので、目のつけどころはうまい。郵政民営化反対で「郵政票」を取りこんだのと同じ手法であり、こういう争点をテコにして、反対勢力から支持を集めようというものだろう。

＜山田氏は会見で「反ＴＰＰを実現しなければならない。反対する勢力の大結集をしないといけない」と強調。反ＴＰＰや脱原発を掲げる勢力の結集を目指し、国民の生活が第一やみどりの風などとの連携を模索する。太陽の党との合流で「脱原発」の主張を棚上げした日本維新の会との差別化を図る狙いだ＞。

たしかに、反ＴＰＰ勢力は少なくなってきているので、ポジションの取り方はうまい。私は亀井氏は大嫌いだし、あいかわらずうさんくさいと思うが、第三極が維新にばかりなびくのに対して、堂々と反旗をひるがえす反骨精神はいいと思う。

反ＴＰＰ・脱原発・消費増税凍結というポジションは、たしかに国民の生活が第一やみどりの風と近いので、連携の可能性はあるかもしれない。

＜ただ、会見に出席したのは亀井、山田両氏の２人のみ。ほかのメンバーについて、亀井氏は「どんどん集まってくる」と述べるにとどめた。また「都合が良ければいつでも党を解党する」とも述べ、主要政策で一致すれば他党に合流する可能性も明らかにした＞。

＜一方、みどりの風の亀井亜紀子共同代表は１９日の会見で「総選挙後に連携など色々な動きがあるかもしれない」と述べ、総選挙前の合流に慎重姿勢を示した＞。

いくら反ＴＰＰ・脱原発・消費増税凍結という政策では近くても、亀井静香氏ではイメージが強烈すぎて、慎重姿勢になるのはわかる。

もしこれで小沢氏が動いて、民主党で居場所を失いつつある鳩山氏も加わったりすれば、鳩山内閣のときの顔ぶれである。とすれば、これは案外、大きな勢力になる可能性もあるかもしれない。ひきつづき注目したい。


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