SIerの3分類:メーカー系、ユーザー系、独立系
ウィキペディア - システムインテグレーター
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7..
<システムインテグレーター(英語:System Integrator)は、個別のサブシステムを集めて1つにまとめ上げ、それぞれの機能が正しく働くように完成させる「システムインテグレーション」を行なう企業のことである。情報システム(情報技術産業、IT業界)、軍需産業において名乗ることが多い>。
システムインテグレーター、通称「SIer(エスアイヤー)」。IT業界では普通に使われている言葉だが、一般人にはわかりにくい言葉だろう。
インテグレーションとか、サブシステムとかは、エンドユーザ(システムを買うお客さん)から見ると、それほど意味はない。エンドユーザから見れば、SIerとは要するに「システム請負業者」であり、自分たちが使うシステムを作ってくれる会社である。
しかし、お客さんと直接取引するSIerが、実際にはシステムを作っておらず、下請けに作らせていることはよくある。規模が一定以上のシステムは、むしろ大部分がそうである。規模が大きくなればなるほど、下請けの会社がさらに下請けに出すことも増えていき、いわゆる多重下請け構造になっていく。大手のSIerは、よく「ITゼネコン」とも呼ばれるが、こういう多重下請けの構造は、まさに建設業とそっくりである。
このウィキペディアのページに、「メーカー系」「ユーザー系」「独立系」という、SIerの3分類が載っている。
1)メーカー系
<コンピューターのハードウェアを製造している(乃至していた)、いわゆるコンピューター会社(メーカー)の系列会社>。
例:日立製作所系(日立ソリューションズ、日立システムズ)、NEC系(NECソフト、NECシステムテクノロジー、NECネクサソリューションズ)、富士通系(富士通マーケティング、富士通エフサス、富士通エフ・アイ・ピー)、東芝系(東芝ソリューション)、三菱電機(三菱電機インフォメーションシステムズ、三菱電機インフォメーションテクノロジー)、日本IBM系
2)ユーザー系
<いわゆる情報システム子会社である。商社や金融会社などの情報システム部門が、コストセンターからプロフィットセンターに転じる目的で独立した。主にグループ企業の案件を受注してシステム構築を行う。親会社の案件への依存度が低く、他の顧客の案件を積極的に受注する企業もある>。
例:野村総合研究所、新日鉄住金ソリューションズ、伊藤忠テクノソリューションズ、住商情報システム、三井情報など
3)独立系
<親会社を持たない資本的に独立した会社。独立系の会社の子会社も独立系と呼ばれる。メーカーや他のSIerからの下請け業務を行うこともある>。
例:TIS、CSK(現SCSK)、大塚商会、トランスコスモス、オービック、シーエーシー、インテック、内田洋行、NSDなど
以上の3つ以外にも「その他」があったり、3分類はそれほど厳密なものではない。しかし、システムをつくる会社がどういうふうに成立してきたかの「経緯」の分類だと考えれば、わりと納得できる。
3種類の分類を私の言葉で言いなおして、補足すると、こんな感じになる。
1)メーカー系
もともと、コンピュータを作って、売っていた会社。むかしはコンピュータがべらぼうに高価だったので、ソフトウェアはオマケみたいなものだった。コンピュータを売るために、ソフトウェアを作っていたわけだ。
2)ユーザー系
コンピュータの会社でない大企業の情報システム部門が独立したもの。独立して会社になれば、他の会社からの仕事も請けられるので、利益を出せる(かもしれない)。
3)独立系
メーカー系でもユーザー系でもない、情報システム専門の会社。
以上、別にこんなことを知っていても、たいした役に立つわけでもないが、私はこういう「業界地図」っぽいネタが好きなので、紹介してみた。
ちなみに、IT業界を志望している学生で、プログラムをバリバリ書きたい人は、大手のSIerはたぶん行かないほうがいい。待遇はわりといいかもしれないが、プログラムを書く仕事はあまりないと思う。
プログラムをバリバリ書きたい人には、独立系の会社で、エンドユーザと直接取引していて、雑誌やネットで名前を見かけるエンジニアが在籍しているような、そういう会社がいいと思う。会社の大きさはあまり関係ない。
関連エントリ:
「総合電機3社」 「電機大手8社」とは
http://mojix.org/2013/02/23/denki-maker
ゼネコンの「コン」は何の略か
http://mojix.org/2012/07/25/genecon
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7..
<システムインテグレーター(英語:System Integrator)は、個別のサブシステムを集めて1つにまとめ上げ、それぞれの機能が正しく働くように完成させる「システムインテグレーション」を行なう企業のことである。情報システム(情報技術産業、IT業界)、軍需産業において名乗ることが多い>。
システムインテグレーター、通称「SIer(エスアイヤー)」。IT業界では普通に使われている言葉だが、一般人にはわかりにくい言葉だろう。
インテグレーションとか、サブシステムとかは、エンドユーザ(システムを買うお客さん)から見ると、それほど意味はない。エンドユーザから見れば、SIerとは要するに「システム請負業者」であり、自分たちが使うシステムを作ってくれる会社である。
しかし、お客さんと直接取引するSIerが、実際にはシステムを作っておらず、下請けに作らせていることはよくある。規模が一定以上のシステムは、むしろ大部分がそうである。規模が大きくなればなるほど、下請けの会社がさらに下請けに出すことも増えていき、いわゆる多重下請け構造になっていく。大手のSIerは、よく「ITゼネコン」とも呼ばれるが、こういう多重下請けの構造は、まさに建設業とそっくりである。
このウィキペディアのページに、「メーカー系」「ユーザー系」「独立系」という、SIerの3分類が載っている。
1)メーカー系
<コンピューターのハードウェアを製造している(乃至していた)、いわゆるコンピューター会社(メーカー)の系列会社>。
例:日立製作所系(日立ソリューションズ、日立システムズ)、NEC系(NECソフト、NECシステムテクノロジー、NECネクサソリューションズ)、富士通系(富士通マーケティング、富士通エフサス、富士通エフ・アイ・ピー)、東芝系(東芝ソリューション)、三菱電機(三菱電機インフォメーションシステムズ、三菱電機インフォメーションテクノロジー)、日本IBM系
2)ユーザー系
<いわゆる情報システム子会社である。商社や金融会社などの情報システム部門が、コストセンターからプロフィットセンターに転じる目的で独立した。主にグループ企業の案件を受注してシステム構築を行う。親会社の案件への依存度が低く、他の顧客の案件を積極的に受注する企業もある>。
例:野村総合研究所、新日鉄住金ソリューションズ、伊藤忠テクノソリューションズ、住商情報システム、三井情報など
3)独立系
<親会社を持たない資本的に独立した会社。独立系の会社の子会社も独立系と呼ばれる。メーカーや他のSIerからの下請け業務を行うこともある>。
例:TIS、CSK(現SCSK)、大塚商会、トランスコスモス、オービック、シーエーシー、インテック、内田洋行、NSDなど
以上の3つ以外にも「その他」があったり、3分類はそれほど厳密なものではない。しかし、システムをつくる会社がどういうふうに成立してきたかの「経緯」の分類だと考えれば、わりと納得できる。
3種類の分類を私の言葉で言いなおして、補足すると、こんな感じになる。
1)メーカー系
もともと、コンピュータを作って、売っていた会社。むかしはコンピュータがべらぼうに高価だったので、ソフトウェアはオマケみたいなものだった。コンピュータを売るために、ソフトウェアを作っていたわけだ。
2)ユーザー系
コンピュータの会社でない大企業の情報システム部門が独立したもの。独立して会社になれば、他の会社からの仕事も請けられるので、利益を出せる(かもしれない)。
3)独立系
メーカー系でもユーザー系でもない、情報システム専門の会社。
以上、別にこんなことを知っていても、たいした役に立つわけでもないが、私はこういう「業界地図」っぽいネタが好きなので、紹介してみた。
ちなみに、IT業界を志望している学生で、プログラムをバリバリ書きたい人は、大手のSIerはたぶん行かないほうがいい。待遇はわりといいかもしれないが、プログラムを書く仕事はあまりないと思う。
プログラムをバリバリ書きたい人には、独立系の会社で、エンドユーザと直接取引していて、雑誌やネットで名前を見かけるエンジニアが在籍しているような、そういう会社がいいと思う。会社の大きさはあまり関係ない。
関連エントリ:
「総合電機3社」 「電機大手8社」とは
http://mojix.org/2013/02/23/denki-maker
ゼネコンの「コン」は何の略か
http://mojix.org/2012/07/25/genecon