2009.09.18
「佐々木」や「代々木」などの「々」は何と読むのか? 小駒勝美『漢字は日本語である』
本屋の新書コーナーで立ち読みしていて、『漢字は日本語である』という面白い本を見つけた。

新潮新書 - 漢字は日本語である 小駒勝美/著
http://www.shinchosha.co.jp/book/610253/



<「々」はどう読む? 『新潮日本語漢字辞典』を作った漢字通が書いた本。
 漢字のルーツはもちろん中国だが、現在日本で使われている漢字は、長い年月を経て、さまざまな日本式改良が施された、わが国独自のものである。中国にはない訓読を駆使し、送り仮名という画期的な発明を加え、見事に日本語のなかに組み入れたのは、まぎれもなく日本の英知なのである。日本ではじめて、日本語のための漢字辞典という画期的辞典を編纂した著者による、日本語の素晴らしさを実感できる漢字の話>。

「日本語としての漢字」というのは、なかなか斬新な切り口だ(以前書いた「和製漢語」というエントリが、このテーマに近い)。この紹介文にもあるように、著者の小駒勝美氏は『新潮日本語漢字辞典』というものを編纂した人らしい。

この本のオビにも<「々」はどう読む?>とあるが、こういう面白いウンチクが満載。ちなみに「々」は「どう」と読むらしく、PCで「どう」と打つと「々」に変換できる。私はいまのいままで知らなかった。

ところで、私は本屋でこういう面白そうな本を見つけても、なるべくすぐに買わないようにしている。私のような本好きは大抵そうだと思うが、面白そうな本を片っぱしから買っていたら、ほんとうにキリがないのだ。そうやって、買いたい気持ちをいったん「寝かせて」、次に本屋に行ったとき、やはりどうしても欲しいと思ったら、そのときに買うようにしている(と言いつつ、初見で衝動買いすることもけっこうあるのだが‥)。というわけで、これも買いたい気持ちをこらえて、買わずにおいた。

ウィキペディアにも、ちゃんと「々」の解説があった。

ウィキペディア - 踊り字
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B8%8A..

<踊り字、躍り字(おどりじ)は、主に日本語の表記で使用される約物(特殊記号)の一つで、々・ヽ・ゝなどの記号を指す。おどり、繰り返し符号(くりかえしふごう)、重ね字(かさねじ)、送り字(おくりじ)、揺すり字(ゆすりじ)、重字(じゅうじ)、重点(じゅうてん)、畳字(じょうじ)などとも呼ぶ>。

「々」は「踊り字」と呼ばれる「約物(特殊記号)」の一種で、「同の字点(どうのじてん)」と呼ぶらしい。

ウィキペディア - 同の字点(どうのじてん)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B8%8A..

<由来は、「同」の別字体である「仝」が変化したというものや、二の字点が変化したというものなど、諸説ある。漢字のように見えるが、あくまで反復記号の一種であって漢字ではなく、読みは無い。
 同じ漢字を重ねるときに、2 文字目以降の文字の代用として用いられる>。

なんと、ここでは「漢字ではない」とのことで、「読みは無い」と書かれている。「同の字点」という名称はあるが、「どう」と読むわけではない、ということか。いろいろな解釈があるんだろうか。

漢字は日本語である』を買わなかったので、正確にどう書いてあったか確認できない。こんど本屋に行ったとき、また読んでみよう。『新潮日本語漢字辞典』というのも面白そうだ。


関連エントリ:
和製漢語
http://mojix.org/2008/09/09/wasei-kango
ひらがな、カタカナ、漢字を使い分けられるのが日本語の強み
http://mojix.org/2008/07/05/hiragana_katakana_kanji