2010.05.13
民主党の非小沢系、みんなの党、自民党の改革派が「行政改革」で結集するのが日本政治のベストシナリオだ
Yahoo!みんなの政治 : 文藝春秋 - 台風の目はみんなの党か舛添か(2010年5月12日)
http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20100512-01-0701.html
http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20100512-02-0701.html

これは面白い記事。2ページ目の後半で、みんなの党の渡辺喜美党首についてこう書かれている。

<「反射神経」。参院選とその先の政局を見据え、二十日の役員会で口にした同じ言葉を渡辺はしきりに漏らしている。参院選で一定の議席を確保し、与党を過半数割れに追い込んでキャスティングボートを握る。民主党に公務員制度改革をはじめとするみんなの党の政策を飲ませ、連立与党に入って再編を目指すつもりなのか>。

<だが、渡辺の小沢嫌いは他人の想像を超えている。かつて、非自民連立政権の首相・細川護熙の後継をめぐり、父・渡辺美智雄に首班指名を持ちかけながら、約束を反故(ほご)にした小沢をいまだに許していない。渡辺が父の果たせなかった総理の座を目指すなら、今度は小沢を利用し尽くす手もあると考える事務所関係者は「目も合わせたくないぐらい小沢を嫌っている」と苦笑する>。
 
<一方、反小沢で知られる行政刷新担当相・枝野幸男とは数カ月に一回食事をする間柄である。枝野が宇都宮市出身で、栃木仲間という面もある。枝野に近い議員は参院選での敗北を見越して「民主党の非小沢系若手とみんなの党が連携し、行政改革に邁進すれば新たな枠組み構築が可能だ」と歓迎する>。
 
<また、渡辺は行政改革担当相として入閣していた安倍内閣で一緒だった元総務相・菅義偉、元官房長官・塩崎恭久らとも太いパイプを持つ。菅とは月に一回程度食事をし、塩崎とは今国会で国家公務員法改正法案の共同提案にこぎつけた仲だ。自民党の改革派と組んで、野党として再編を企てる可能性もある>。

この中に出てくる「枝野に近い議員」による発言、「民主党の非小沢系若手とみんなの党が連携し、行政改革に邁進すれば新たな枠組み構築が可能だ」という見方は、まったく同感だ。

国民は鳩山・小沢コンビに早く辞めてほしいと思っており、これだけ支持率が下がっているのに、2人とも辞めようとしない。民主党内ですら、この2人に辞めて欲しいと内心思っている人は少なくないはずだ。参院選にタレントやスポーツ選手を担ぎだすなど迷走を深めていく党の方針も、まともな議員であれば疑問を持たないはずがない。

だとすれば、民主党から前原グループなど非小沢系が一気に離脱して、「行政改革」では一致するみんなの党と組めば、かなりの勢力になりうる。ここに自民党の改革派も加われば、最強勢力になるかもしれない。単に数の上で多くなるという意味ではなく、「行政改革」という政策の方向性で一致しうるので、説得力があり、国民に支持されやすいという意味だ。

この勢力は、小沢的なドブ板選挙主義とも手を切れるし、労組や郵政などの支持基盤に遠慮して既得権益を保護するゴマカシ政治をする必要もない。真に日本をよくするための「政策」に集中して、行政改革を断行できるだろう。「行政改革」という直球のメッセージを国民に投げれば、かつての小泉政権くらいの高い支持を得られると思う。

いまの民主党の政策では数少ない人気を誇る「事業仕分け」は、実は政権交代前から、自民党の河野太郎氏、現・みんなの党の山内康一氏らの「無駄遣い撲滅プロジェクトチーム」がやっていたことだ。もともとはシンクタンク「構想日本」の加藤秀樹氏が地方自治体で始めた手法で、これが小泉内閣で国政に盛り込まれ、のち河野太郎氏のチームで実現して、それを民主党は踏襲したのである(「構想日本#事業仕分け」)。民主党の非小沢系、みんなの党、自民党の改革派という3つの勢力は、すでに「事業仕分け」でつながっていたのだ。

よって、この3つの勢力が「行政改革」という旗の下に結集することは、それほど無理な話ではないと思う。以前にも書いたが、民主党の非小沢系、みんなの党、自民党の改革派という3つの勢力が「行政改革」で結集するのが、日本政治のベストシナリオだろう。


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