2011.03.04
「ワンパターン」の魅力
ネットでも本でも、いつも同じようなことを言っている人は、けっこういる。

いつも同じようなことを言っていて、読んでいる人も「ああ、いつもの話だな」と思う。

いわば、「ワンパターン」である。私はこの「ワンパターン」が大好きだ。

世に知られている人はだいたい、「ワンパターン」だと思う。それがその人の個性であり、スタイルなのだ。

その人の名前を隠しても、その人のものだとわかるくらいであれば、その「ワンパターン」は相当なものだろう。そのスタイルが、もはやその人の「代名詞」になっているわけだ。

私は去年のはじめ、モーツァルトの良さが急にわかるようになり、それ以来モーツァルトをよく聴いている。モーツァルトはどれを聴いても、モーツァルトっぽい。まさに「ワンパターン」であり、それがスタイルとして確立しているのだ。

「ワンパターン」は一見、かんたんそうに思える。形式が単純で、かつそれを繰り返しているだけのように見えるからだ。

しかし実は、形式が単純で、かつそれを繰り返しているからこそ、むしろ「ワンパターン」というのはむずかしいと思う。

形式が単純といっても、つまらないものであれば、そもそも相手にされない。単純なのに、人をひきつけるのだから、それだけでもすごい。

さらに、それを繰り返すのである。繰り返してもなお、人をひきつける魅力があるだから、さらにすごいと思う。

それはいわば、おいしいパン屋みたいなものだ。おいしいパン屋には、いつも同じパンがあり、いつもおいしい。そのパン屋が好きな人は、毎日のように、いつものパンを買いに来る。

「ワンパターン」がかんたんではないのは、おいしいパン屋がかんたんではないのと似ている。


関連エントリ:
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