2011.05.22
リバタリアンとフェミニスト
リバタリアンとフェミニストは、似たところがある。

リバタリアンは「自由」「独立」を支持するが、フェミニストも、女性の「自由」「独立」を支持する。

リバタリアンは、経済の面ではいわゆる「保守」に近いので(「ノーラン・チャート」参照)、「保守」と混同されることがある。しかし、「保守」は旧来的な価値観を支持するので、しばしば男性中心的である。

この男性中心的な考え方を支持しないのがフェミニストだが、この点で、リバタリアンは「保守」よりもフェミニストに近い。この意味では、フェミニストはリベラルに近いので、リバタリアンは「保守」よりもリベラルに近い。つまり、「ノーラン・チャート」でいう「精神的自由」の側面では、リバタリアンはリベラルに近く、その意味でフェミニストにも近い。



いっぽう「経済的自由」の側面では、リバタリアンは「保守」に近く、リベラルと対立する。フェミニストは、この側面ではおおむねリベラルに近そうなので、この点ではリバタリアンと対立するだろう。

「保守」と「リベラル」はやや多義的で、スタンスがわかりにくいところがある。その点、「フェミニスト」はスタンスがはっきりしていて、わかりやすい。リバタリアンは、日本ではいまのところ、フェミニストよりもはるかにマイナーな種族である。そのマイナーな種族を理解するのに、フェミニストとの類似と違いを考えると、わかりやすいと思う。


関連エントリ:
世界を上下に分けて下に味方するのが左翼、世界をウチとソトに分けてウチに味方するのが右翼
http://mojix.org/2010/10/15/matsuo-uyosayo
リバタリアニズムのキモは「強制しない」こと
http://mojix.org/2010/01/23/libertarianism_kimo
ノーラン・チャート
http://mojix.org/2008/04/20/nolan_chart