2012.09.26
「むかつく」「真逆」「まったり」使いますか?文化庁の国語世論調査
朝日新聞デジタル - 「むかつく」もう日常語? 5割超が使用 国語世論調査(2012年9月20日18時21分)
http://www.asahi.com/national/update2/0920/TKY201209200383.html

<「すごい速い」や「むかつく」「1コ上」――。日常会話でこういった表現を使う人の割合がおよそ半数に上ることが、文化庁の国語世論調査で明らかになった。
 調査では、日常会話で使われる12の表現を取り上げた。「1コ上」は8年前の前回調査から6.1ポイント、「むかつく」は3.6ポイント増えた>。

元ネタはこれらしい。

文化庁 - 国語に関する世論調査
http://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/yoronchousa/
文化庁 - 平成23年度「国語に関する世論調査」の結果について(PDF形式(900KB))
http://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/yoronchousa/h23/pdf/h23_chosa_kekka.pdf

PDFの中の「7.ふだんの言い方について」に、この調査結果がある。「むかつく」「真逆」「まったり」など、12種類の若者言葉(?)について、使うことがあるかどうかたずねている。



「なにげに」「1コ上」「チョー」などは、前回の調査時(8年前)に比べて、使う人が5%前後増えている。いっぽう、「あの人みたくなりたい」「寝る前に歯を磨くじゃないですか,その時に…」「全然明るい」の3つは、やや減っている。

また、今回初めて調査した4つの言葉、「がっつり食べよう」「真逆」「半端ない」「まったりする」については、年齢別のグラフも出ている。



若者言葉なので、若い人のほうが当然多いのかと思いきや、「がっつり食べよう」と「まったりする」の2つは、20代がピークになっている。いまの10代にとっては、「がっつり」と「まったり」はあたりまえの言葉を通り越して、すでにオヤジ言葉なのかもしれない。

若者言葉については、ちょうど先日、こんなエントリを書いたばかりだ。

「真逆(まぎゃく)」は日本語の進化か、退化か
http://mojix.org/2012/09/10/magyaku

翻訳家の柳瀬尚紀氏が、最近の日本人の語彙(ごい)の貧しさを批判し、「真逆(まぎゃく)」という言葉の流行も嫌っているのに対して、私はこう書いた。

<これも、「最近の若者はなっとらん」みたいな話である。「真逆(まぎゃく)」の普及も、柳瀬氏から見れば、日本語の退化と感じるようだ>。

<広辞苑にも、大辞林にも載っていない「真逆(まぎゃく)」が急速に広まっているのだから、それはむしろ日本語の進化であり、イノベーションではないだろうか。「正反対(せいはんたい)」よりも短くて、便利で、実感がこもっているから、みんな使い始めたのだろう>。

「真逆(まぎゃく)」のような若者言葉は、年長者から見れば「汚い言葉」に見えるかもしれないが、日本語がより使いやすく、合理的に進化した結果だろうと私は考えている。便利だからこそ、支持され、広まっていくのだ。

音楽でも、ジャズやロックが初めて出てきたとき、趣味のいい大人は顔をしかめたはずだ。歴史はいつもそのようにして、やんちゃな若者によって更新されていく。いまでは上品な御婦人で美術館をいっぱいにする印象派だって、出てきた当時は前衛であり、パンクみたいな反逆だったのだ。


関連エントリ:
「真逆(まぎゃく)」は日本語の進化か、退化か
http://mojix.org/2012/09/10/magyaku
音楽の「不良化」
http://mojix.org/2010/12/28/ongaku-furyou