2009.07.06
アニメの殿堂「批判は知識、勉強不足」与謝野氏が反論 「今度こそ勝てる」と言うギャンブラーとどこが違うのか?
asahi.com - アニメの殿堂「批判は知識、勉強不足」与謝野氏が反論(2009年7月4日1時49分)
http://www.asahi.com/politics/update/0704/TKY200907030623.html

<09年度補正予算で建設が決まった「国立メディア芸術総合センター」(アニメの殿堂)への批判に対し、与謝野財務相は3日、「(批判は)遊びに使うと錯覚した人の議論だ。知識不足、勉強不足、判断力不足と言わざるを得ない」と反論した。野党だけでなく自民党内からも批判が出ていることについて、閣議後の記者会見で質問に答えた>。

<117億円を投じる「アニメの殿堂」はアニメやマンガを収集・展示する施設で、日本の文化を世界に発信する拠点にもする計画。与謝野氏は「人知れず世界から評価されているアニメ、マンガなど無形文化的なものは、これからの日本の売れ筋になる。生活の糧を確保してくれる分野だ」と強調した>。

<民主党が「国営マンガ喫茶」(鳩山代表)などと批判しているほか、自民党内のプロジェクトチームも予算凍結を求める意見書をまとめているが、与謝野氏は「将来大きな果実を生む投資先のひとつだと認定した。趣味や遊びでつくるのではない」と述べた>。

増税論者の与謝野氏が「将来大きな果実を生む投資先のひとつだ」とか言っても、まったく説得力がない。

「税金はオレのもの」と思っているのがミエミエだ。「税金を使う」ということにぜんぜん痛みを感じないのだろう。

知識や勉強の問題だというなら、じゃあそれほど優秀な政府が作ってきたこれまでのハコモノは、全部「将来大きな果実を生む投資先」だったのか?その結果はどうだ。

そもそも、いまの財政破綻はどこから出てきたのだ?全部、国の判断が間違っていて、問題を先送りし続けてきたからじゃないか。それも過失というより確信犯に近い。

これまで負けつづけてきたくせに、「今度こそ勝てる」と言っているギャンブラーとどこが違うのか?ただちにギャンブルをやめる以外に解決方法はない。

一般のギャンブラーは、自分のカネでやっているからまだマシだ。政府は国民の税金を使っているのだ。政府の「将来大きな果実を生む投資」が失敗したとき、その損失をかぶるのは国民だ。

国民が「税金のムダ使いをやめろ」と言っているのに対して、与謝野氏は「あなたは知識、勉強不足だ」と言っているわけだ。「私のほうがあなたより賢いのだから、あなたのお金(税金)を私が使ってあげよう」と言っているのだ。

そこまで自分の知識や投資力に自信があるのなら、自分の私財を投じてアニメの殿堂をやればいいのではないか?与謝野氏の私財でやるのなら、誰も反対しないだろう。かんぽの宿の入札に反対した鳩山元大臣も、入札が安すぎると騒いでいたわけだが、だったら鳩山氏が自分の私財で全部買い取れば儲かるはずなのだ。

与謝野氏にしても鳩山氏にしても、ダウンサイドリスク(失敗時の損失リスク)を国民に押し付けているわけで、「国民のため」というポーズを取りつつ、「他人の金でギャンブル」をしているのだ。


関連エントリ:
自民党・無駄遣い撲滅プロジェクトチーム「国立メディア芸術センターはまったく不要」
http://mojix.org/2009/06/12/mudabo_media_center
「マンガの殿堂」国立メディア芸術総合センター(仮称)に117億円の税金を投入すべきか
http://mojix.org/2009/06/07/manga_dendou
与謝野発言はなぜ問題なのか 「みんなのもの」という「大きな政府」路線
http://mojix.org/2009/02/27/yosano_big_gov