みんなの党は「政策の党」 市場メカニズム重視・自由主義の「小さな政府」路線
自民党の中川秀直氏が、「政策の党」と「政局の党」の違いについて書いている。
中川秀直オフィシャルブログ - (政策決定の一元化)「政局の党」だからこそ幹事長の力が強くなる
http://ameblo.jp/nakagawahidenao/entry-10336395872.html
<民主党は「政局の党」であって「政策の党」ではない。「政局の党」だからこそ「政策決定の内閣一元化」は難しいのではないか。「政局の党」だからこそ幹事長の力が強くなるのではないか>。
<民主党は、国民のための政治をするのか、来年の参院選で民主党が単独過半数をとるための政治をやるのか、そこが焦点である>。
今回の民主党の圧勝は、基本的に自民党の「敵失」による勝利であり、「政策の党」として積極的に支持されたようには見えない。自民党が弱りきっているところに、小沢氏の選挙手腕などが効いて、「政局の党」として勝利したという印象だ。
しかし自民党も、「政策の党」とは言えそうもない。今回の総選挙では、自民党も民主党も、まさにホテリングの法則を絵に描いたようなポピュリズム路線だった。「痛み」をともなうが経済成長に必要な規制改革を放棄し、財政赤字を増やすだけのバラマキ路線だった。
そんな中で、「政策の党」として唯一勝利したと言えそうなのが「みんなの党」である。
asahi.com マイタウン福島 - みんなの党に「あぜん」、参院選が正念場(2009年09月05日)
http://mytown.asahi.com/fukushima/news.php?k_id=07000000909050006
<今回の総選挙で、民主、自民以外の政党は埋没し、苦戦を強いられた。公明、共産は比例区での得票率を前回総選挙より落とし、社民はほぼ横ばい。一方で、公示約1週間前に生まれたみんなの党が共産、社民を上回る健闘を見せた。来年夏の参院選に向け、各党は2大政党に対してどう存在感を示していけるのか>。
<今回の比例区の結果で関係者を驚かせたのは、みんなの党の予想以上の得票だ。党の結成は、公示日の約1週間前。それが県内比例区で約7万票を取った。十分な組織がない政党なのに、労組などに強い支持基盤を持つ共産、社民の両党の得票を上回った。
県内唯一の候補者として4区で出た小熊慎司・党県連代表は「自民に不満、民主に不安、という人の受け皿になった」と述べ、既存政党に飽き足らない層の支持を得たとみる>。
<みんなの党に得票数を抜かれ、共産党県委員会の最上清治委員長は「あぜんとした」と驚きを隠さない。自民、民主に満足しないが、社民、共産には共感しない層が、みんなの党に流れたとみている>。
共産党や社民党は、ポジションは一貫しているので、「政策の党」と言っていいと思う。今回の総選挙では、自民・民主という2大政党がポピュリズム路線に走り、政策的というよりは政局的な争いを繰り広げるなかで、「みんなの党」という新しい「政策の党」が出現し、支持を伸ばしたわけだ。
「みんなの党」は支持基盤もないので、純粋にその政策に共感した人だけが票を入れているはずだ。知名度もまだ低いので、今回あえて「みんなの党」を選んだ人というのは、政治に対する意識が比較的高い人が多いと思う。「多数に流される」タイプの人は、「みんなの党」には投票しそうもない。
山内康一氏が、みんなの党の立ち位置を簡潔に説明するエントリを書いている。
山内康一 の「蟷螂(とうろう)の斧」 - みんなの党の立ち位置
http://yamauchi-koichi.cocolog-nifty.com/blog/2009/09/post-3d4c.html
<私は、民主党とは是々非々でつき合い、健全な監視人になるべきだと思います。
民主党が正しい政策を出せば、それを応援し、さらに改善できるよう提案すべきです。
民主党が誤った政策を出せば、それを阻止し、修正・改善させるべく努力すべきです>。
<民主党の政策は、バラマキ色が強く「大きな政府化」あるいは「官の肥大化」へ
向かってしまう恐れがあるため、それに対してはノーと言うべきだと思います>。
<民主党の鳩山代表の反米的・反グローバリズム的・反市場主義的な論文が、
米紙(インターネット版)に出てしまい、アメリカ国民の感情を逆なでしています。
日米同盟なしには、当面の日本の安全保障政策は成り立たないと思います>。
<みんなの党は、反米でなく、反グローバリズムの鎖国主義でなく、反市場主義でなく、
アジアも重視しつつも日米同盟を堅持し、グローバル化とうまくつき合い、
市場の暴走への監視をして「市場の失敗」を最小化しつつ、市場メカニズムを守り、
官僚統制的・社会主義的な政策には組しません>。
あいかわらず、私にとってはごく当たり前の「立ち位置」で、共感できる。
山内氏はこのエントリで、「みんなの党の特色」を次の5つだとしている。
1.反バラマキ
2.反官僚統制の市場メカニズム重視
3.反社会主義・反全体主義の自由主義
4.脱霞ヶ関・脱中央集権
5.健全で穏やかな保守
このような方向は、いわゆる「小さな政府」路線の王道であり、「民間でできることは民間で」という考え方だ。
山内氏は自民党にいた頃からずっとこの「立ち位置」で、一貫している。私もその山内氏に共感して、このブログではしばしば紹介してきた。
みんなの党は、山内氏と「立ち位置」が近い政治家が集まっているので、「政策の党」になりえているのだろう。
この「小さな政府」路線に共感する人は少なくないはずなので、みんなの党が今後もこの「立ち位置」をぶらさなければ、来年の参院選、次の総選挙と、より大きい存在に成長していけると思う。
関連エントリ:
鳩山由紀夫「A New Path for Japan」
http://mojix.org/2009/08/30/a_new_path_for_japan
日本の問題は「市場の失敗」でなく「政府の失敗」
http://mojix.org/2009/08/29/nihon_no_mondai
「小さな政府」の考え方
http://mojix.org/2009/07/28/small_gov_thought
中川秀直オフィシャルブログ - (政策決定の一元化)「政局の党」だからこそ幹事長の力が強くなる
http://ameblo.jp/nakagawahidenao/entry-10336395872.html
<民主党は「政局の党」であって「政策の党」ではない。「政局の党」だからこそ「政策決定の内閣一元化」は難しいのではないか。「政局の党」だからこそ幹事長の力が強くなるのではないか>。
<民主党は、国民のための政治をするのか、来年の参院選で民主党が単独過半数をとるための政治をやるのか、そこが焦点である>。
今回の民主党の圧勝は、基本的に自民党の「敵失」による勝利であり、「政策の党」として積極的に支持されたようには見えない。自民党が弱りきっているところに、小沢氏の選挙手腕などが効いて、「政局の党」として勝利したという印象だ。
しかし自民党も、「政策の党」とは言えそうもない。今回の総選挙では、自民党も民主党も、まさにホテリングの法則を絵に描いたようなポピュリズム路線だった。「痛み」をともなうが経済成長に必要な規制改革を放棄し、財政赤字を増やすだけのバラマキ路線だった。
そんな中で、「政策の党」として唯一勝利したと言えそうなのが「みんなの党」である。
asahi.com マイタウン福島 - みんなの党に「あぜん」、参院選が正念場(2009年09月05日)
http://mytown.asahi.com/fukushima/news.php?k_id=07000000909050006
<今回の総選挙で、民主、自民以外の政党は埋没し、苦戦を強いられた。公明、共産は比例区での得票率を前回総選挙より落とし、社民はほぼ横ばい。一方で、公示約1週間前に生まれたみんなの党が共産、社民を上回る健闘を見せた。来年夏の参院選に向け、各党は2大政党に対してどう存在感を示していけるのか>。
<今回の比例区の結果で関係者を驚かせたのは、みんなの党の予想以上の得票だ。党の結成は、公示日の約1週間前。それが県内比例区で約7万票を取った。十分な組織がない政党なのに、労組などに強い支持基盤を持つ共産、社民の両党の得票を上回った。
県内唯一の候補者として4区で出た小熊慎司・党県連代表は「自民に不満、民主に不安、という人の受け皿になった」と述べ、既存政党に飽き足らない層の支持を得たとみる>。
<みんなの党に得票数を抜かれ、共産党県委員会の最上清治委員長は「あぜんとした」と驚きを隠さない。自民、民主に満足しないが、社民、共産には共感しない層が、みんなの党に流れたとみている>。
共産党や社民党は、ポジションは一貫しているので、「政策の党」と言っていいと思う。今回の総選挙では、自民・民主という2大政党がポピュリズム路線に走り、政策的というよりは政局的な争いを繰り広げるなかで、「みんなの党」という新しい「政策の党」が出現し、支持を伸ばしたわけだ。
「みんなの党」は支持基盤もないので、純粋にその政策に共感した人だけが票を入れているはずだ。知名度もまだ低いので、今回あえて「みんなの党」を選んだ人というのは、政治に対する意識が比較的高い人が多いと思う。「多数に流される」タイプの人は、「みんなの党」には投票しそうもない。
山内康一氏が、みんなの党の立ち位置を簡潔に説明するエントリを書いている。
山内康一 の「蟷螂(とうろう)の斧」 - みんなの党の立ち位置
http://yamauchi-koichi.cocolog-nifty.com/blog/2009/09/post-3d4c.html
<私は、民主党とは是々非々でつき合い、健全な監視人になるべきだと思います。
民主党が正しい政策を出せば、それを応援し、さらに改善できるよう提案すべきです。
民主党が誤った政策を出せば、それを阻止し、修正・改善させるべく努力すべきです>。
<民主党の政策は、バラマキ色が強く「大きな政府化」あるいは「官の肥大化」へ
向かってしまう恐れがあるため、それに対してはノーと言うべきだと思います>。
<民主党の鳩山代表の反米的・反グローバリズム的・反市場主義的な論文が、
米紙(インターネット版)に出てしまい、アメリカ国民の感情を逆なでしています。
日米同盟なしには、当面の日本の安全保障政策は成り立たないと思います>。
<みんなの党は、反米でなく、反グローバリズムの鎖国主義でなく、反市場主義でなく、
アジアも重視しつつも日米同盟を堅持し、グローバル化とうまくつき合い、
市場の暴走への監視をして「市場の失敗」を最小化しつつ、市場メカニズムを守り、
官僚統制的・社会主義的な政策には組しません>。
あいかわらず、私にとってはごく当たり前の「立ち位置」で、共感できる。
山内氏はこのエントリで、「みんなの党の特色」を次の5つだとしている。
1.反バラマキ
2.反官僚統制の市場メカニズム重視
3.反社会主義・反全体主義の自由主義
4.脱霞ヶ関・脱中央集権
5.健全で穏やかな保守
このような方向は、いわゆる「小さな政府」路線の王道であり、「民間でできることは民間で」という考え方だ。
山内氏は自民党にいた頃からずっとこの「立ち位置」で、一貫している。私もその山内氏に共感して、このブログではしばしば紹介してきた。
みんなの党は、山内氏と「立ち位置」が近い政治家が集まっているので、「政策の党」になりえているのだろう。
この「小さな政府」路線に共感する人は少なくないはずなので、みんなの党が今後もこの「立ち位置」をぶらさなければ、来年の参院選、次の総選挙と、より大きい存在に成長していけると思う。
関連エントリ:
鳩山由紀夫「A New Path for Japan」
http://mojix.org/2009/08/30/a_new_path_for_japan
日本の問題は「市場の失敗」でなく「政府の失敗」
http://mojix.org/2009/08/29/nihon_no_mondai
「小さな政府」の考え方
http://mojix.org/2009/07/28/small_gov_thought