2010.06.18
日本政治は鳩山内閣でおそらく「底打ち」した 「上昇余地」の大きい日本経済
ユーロ危機もようやく落ち着いてきて、世界経済にも「底打ち」の気配が見えてきた。

日本政治も菅内閣に変わり、政権支持率の驚異的な回復を見ても、少なくとも鳩山内閣よりはだいぶマシだ、と国民が判断していることがわかる。私も同感だ。

ニューズウィーク日本版 : エコノMIX異論正論 - 日本経済には「失われた20年」の大きな貯金がある
http://newsweekjapan.jp/column/ikeda/2010/06/20-1.php

<参議院選挙が7月11日に決まったが、今回も「不毛の選択」といわざるをえない。民主党は鳩山首相から菅首相に替わっても「行き過ぎた市場原理主義」を嫌悪して所得再分配ばかりいう方針は変わらない。それに対して自民党は「小さな政府」という対抗軸を打ち出すことに失敗し、選挙の争点がよくわからない。あとの新党は、ポピュリズムや意味不明なものばかり。この調子では、日本経済の「失われた20年」は25年ぐらいに延長されそうだ>。

<しかし逆に考えると、自民党政権がこの20年間やってこなかった宿題は、解決すれば日本経済を大きく改善する可能性がある。そのうち最大の「貯金」は、当コラムでも取り上げた法人税である。日本の法人税の実効税率は40.7%と、OECD諸国で群を抜いて高い。第一生命経済研究所の推定によれば、これをOECD平均の25%まで下げれば、今後10年間で6兆円以上(GDP比1.2%)の成長が見込めるという>。

池田信夫氏はこの記事で、日本の問題点を「貯金」と表現している。現状はいろいろと問題があるが、だからこそ「上昇余地」が大きい、という前向きな捉え方になっているのだ。税や規制をどういう方向に改革すればいいか、ポイントを押さえた具体的な指摘が並んでいる。

私は池田氏の記事やブログをほぼ毎日、何年も読んできているが、池田氏の書くトーンも、以前より明るくなってきた気がする。池田氏が書いていることの基本的な論旨は以前から変わらないが、そうした方向の改革が実際におこなわれる「手ごたえ」がいくらか出てきたので、その「希望」感みたいなものが、文章に出ていると思う。

私は池田氏の提言する政策の方向にほとんど賛同していて、現状に対するその「手ごたえ」も共有できる。日本政治は鳩山内閣でおそらく「底打ち」したのであり、これからは少しずつマシなものになっていくだろう。だから、現状にはまだ問題があっても、その「上昇余地」を前向きに捉えられるし、「希望」が感じられるのだ。


関連エントリ:
「要するに日本はどうすべきなのか」を知りたい人は必読 池田信夫「日本が「本物の格差社会」になるのはこれからだ」
http://mojix.org/2010/04/09/japan_what_to_do
希望を捨てたら、もっと不幸になる
http://mojix.org/2009/04/19/japan_hope