2010.08.05
「英語助手と先生、授業協力したら違法」 現場を困らせるような法規制はいらない
asahi.com - 英語助手と先生、授業協力したら違法 契約巡り現場混乱(2010年8月4日4時5分)
http://www.asahi.com/national/update/0803/OSK201008030141.html


労働局の指導後に休止していた外国人講師の授業を再開した小学校。担任(手前左)は講師に声をかけなかった=7月5日、千葉県柏市、山田写す

<英語の授業中、外国語指導助手(ALT)と日本人教員が言葉を交わさない――。ALTを業者への業務委託(請負)で確保する自治体で、奇妙な授業風景が繰り広げられている。2人が協力して授業に取り組むと「偽装請負」(労働者派遣法違反)となってしまうからだ。ルールを守れずに労働局から指導を受ける教育委員会が相次ぎ、教室で混乱が起きている>。

<「先生、英語ばっかりでわからへん」。関西のある小学校。子どもたちが教室の端で待機していた担任の方を振り返って騒ぎ出した。女性指導助手は早口の英語で授業を始めた。日本語はほとんど理解できなかった>。

<「日本語がわかる人が来ると思っていたので驚いた」と担任。助け舟を出したくても出せない。「先生じゃなくてALTさんに言って」と子どもに伝えたが、騒々しさは増すばかり。ルール違反を承知で、通訳して一緒に授業を進めるしかなかった>。



契約がどんな形態だろうが、いっしょに働く限り、現実的にはなんらかの指示は必要になる。それが「違法」になるというのだから、まさに悪法だ。現場を困らせるような法規制はいらない。

この「偽装請負」だという話で、請負契約が減って派遣が増えてきたのに、最近では派遣も規制する流れだ。とにかく正社員で採用することを国は強制したいのだろう。しかし、日本では正社員で採用したらなかなか解雇できないわけだから、そうかんたんに正社員を採用できない。請負も派遣もダメ、正社員を採ったら解雇するなというのでは、企業は日本での雇用をあきらめるしかない。

日本政府は、わざわざ日本経済をダメにする政策をやっているとしか思えない。これほど強い規制に高い税金では、日本電産の永守社長が言っていた通り、「日本企業は海外に出て行け」と言っているのと同じだろう。

このニュースのように教育現場の場合、悪法のツケを払わされるのは、教員以上に子供たちだろう。写真に写っている「協力し合う学校」という標語がなんとも皮肉だ。


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