2013.06.10
学校でプログラミングをやるなら、生徒に教えてもらおう
ITmediaニュース - 「世界最高水準のIT社会へ」 政府の成長戦略素案 義務教育からのプログラミング、3Dプリンタ投資支援など盛り込む(2013年06月06日 17時06分)
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1306/06/news115.html

<政府が6月5日に示した成長戦略の素案には、「世界最高水準のIT社会の実現」に向け、オープンデータやIT教育推進に向けた改革案を盛り込んだほか、3Dプリンタなど先端設備への投資支援やクラウドファンディングにも言及している>。

<ハイレベルなIT人材の育成・確保のため、デジタル教材の開発や、双方向型の教育、グローバルな遠隔教育などの授業革新を推進。産学官連携でIT人材育成の仕組みを来年度中に構築し、義務教育段階からのプログラミング教育など、IT教育を推進するとしている>。

小さいうちからプログラミングを教えるのは、いいと思う。しかし問題は、誰が教えるかだ。

プログラミングが好きでもない先生が、仕方なくプログラミングを教えたら、その授業は絶対につまらないものになるだろう。これでは、生徒はプログラミングが嫌いになる。

いまどき、クラスに1人や2人、プログラミングができる生徒がいると思う。いっそのこと、そういう生徒にまかせて、教えてもらえばいい。生徒にとっても、自分が教えたり、プレゼンするという機会を与えられるので、すごく鍛えられるだろう。

「ハイレベルなIT人材の育成」とあるが、これはかんたんで、バンバン飛び級させればいい。日本でも、13歳くらいで大学に入る子供がたくさん出てくればいいと思う。「育成」なんてしなくても、できる子供の足を引っぱらないで、どんどん伸ばすだけでいいのだ。しかし、「みんないっしょ」の日本では、飛び級させるだけでも相当むずかしいだろう。潜在的には、それくらい有能な子供はたくさんいるはずだ。有能な子供に、つまらない授業をガマンして受けさせるのは、じつにもったいない。

<公共のデータを公開する「オープンデータ」を推進。2015年度中に世界最高水準・1万以上のデータセット公開を目標に掲げる。オープンデータやビッグデータの利活用を推進すべく、個人情報・プライバシー保護に配慮したデータ利活用ルールの策定なども推進するとしている>。

オープンデータとかビッグデータとか、威勢のいいバズワードをふりまくのもいいけど、役所のサイトをちゃんとする、というのが先ではないか。まずは、役所のサイトのURL構造をきれいにして、URLをホイホイ変えないようにする、というだけでもいい。これだけでも、ちゃんとやるのは、それなりにたいへんだろう。

オープンデータとかビッグデータ以前に、ただサイトをつくって、更新する、というだけでも、けっこうたいへんである。「ハイレベルなIT人材の育成」をするなら、まず役所の人間から、「ハイレベルなIT人材」の手本になってみてはどうだろうか。義務教育にプログラミングを導入する前に、まず役所でプログラミングを必須にしてほしい。ただサイトをつくって、更新する、というだけでもいいので、ちゃんと自分の手でやってみれば、ITへの理解がかなり深まるだろう。


関連エントリ:
役所のサイトはURLをホイホイ変えるな
http://mojix.org/2013/04/03/url-kaeruna
飛び級、落第がない日本
http://mojix.org/2011/07/15/tobikyuu-rakudai
教室における新しいインターネット・リテラシー
http://mojix.org/2005/08/28/233314