2009.06.05
田村耕太郎参議院議員「地方に課税自主権と自主法制定権まで認め、一国二制度に踏み込むべき」
参議院議員 田村耕太郎 公式ブログ - 田原総一朗氏・丹羽宇一郎氏
http://kotarotamura.net/b/blog/?itemid=4591

田村耕太郎参議院議員が自身のブログで、中川秀直・菅義偉・田原総一朗の3氏が主宰する勉強会(ゲストは伊藤忠商事会長の丹羽宇一郎氏)に出席し、次のような発言をしたと書いている。

「地方分権は地方の現場ではなく、霞ヶ関改革から始まる。国がやるべきは、外交・防衛・通貨・マクロ経済政策、金融市場育成監督くらいか?!外務省、防衛省、金融庁・財務省の一部以外は機能を大幅に地方に移管してはいかがか?」

「税源委譲から一歩進んで課税自主権と自主法制定権まで認め、一国二制度に踏み込むべき。道州制がなくても、スイスではカントン(県)単位で課税自主権と自主法制定権を認めている。小さい規模でもできるし、幕藩体制の時はやっていた!」

「例えば、高齢化が進む鳥取県で贈与減税などやらせていただければ、世代間資産移転が加速され、消費が活性化し、税収もかえって増える!こういう成功例が地方から出れば、いい政策を全国がコピーして国が変わる!」

これは完全に賛成。

地方に税源という「カネ」だけでなく、税をどこからどれくらいとるのか、どのような法規制を作るのか、といったことまで決められる「自由」を与えるのだ。

この「自由」があれば、地方は例えば税率を低く、規制をゆるくして、会社や金持ちを呼び込むといったビジネスモデル・生き残り戦略が取れる。過疎化に困っている地方なども、これで一気に浮上する可能性が開けるかもしれない。

逆に、税金が高くて規制が強い地域や、行政がダメな地域からは、人や会社が流出するだろう。

税率や法規制によって地方に特色・個性ができれば、これまでのようにただ都会に人が集中するのとはまた違った、人や会社のダイナミックな移動が起きそうだ。「地域間の競争」が起きるのだ。

もし日本でこれが実現すれば、以前「さまざまな「社会設計」の自治体が競争するメタ社会」というエントリで書いたような、私にとって理想的な社会のイメージに大きく近づく。

このように分権化された社会では、地域間の競争によって全体が活性化するだけでなく、税率や法規制も含めて、自分にもっともフィットした地域を「選べる」ので、国民の自由度も高くなる。このような社会を望むのは田村議員や私だけでなく、おそらく誰にとっても望ましいと思うのだが、どうだろうか?


関連エントリ:
可能な社会を想像する
http://mojix.org/2008/11/22/imagine_possible_society
さまざまな「社会設計」の自治体が競争するメタ社会
http://mojix.org/2008/11/03/meta_society
大前研一による「道州制のビジネスモデル」
http://mojix.org/2008/06/23/ohmae_doushuusei