2009.11.22
成長戦略とは「規制緩和」と「減税」のことである
金融日記 - 成長戦略って何だ?
http://blog.livedoor.jp/kazu_fujisawa/archives/51616515.html

<よく民主党は成長戦略がまったくないと批判されますが、この成長戦略と聞いて何をイメージするでしょうか?
成長戦略という言葉の受け取り方は経済にくわしい人とそうでないない人でおおきな隔たりがあるようです>。

<おそらく成長戦略といわれて、多くの人がエコとかバイオとかの産業振興策のことを思い浮かべるのではないでしょうか?
優秀な政治家や官僚がこれからの成長産業に対するビジョンをしめして国を引っ張っていくのです>。

<しかしまともな経済の専門家でそんなアホなことを期待している人は誰もいません。
今時先進国でお役人に新しい産業を作って欲しいなんて思っている人は誰もいませんし、またそんなことをしてもうまくいかないのは過去の実績が雄弁に物語っています。
そういうことをするのは民間の優秀な起業家であり投資家の仕事なのです>。

<ふつう「成長戦略」というとそれは戦略的な規制緩和と税制改革のことです。
世界から優秀な人材や企業を呼び込むにはどういうふうに不必要な規制を撤廃して、税制を変えなければいけないのかを考えるのが成長戦略なのです>。

(注:明らかな誤字と思われる部分は修正した)

まったくその通りだ。こんなあたりまえのことが、日本ではあまり理解されていない。

産業政策やバラマキは、決して「成長戦略」ではない。それは富を生み出したり生産性を上昇させる「成長」の話ではなく、カネをどこに回すかという「分配」の話にすぎない。

政府の仕事を増やせば増やすほど、規制が増え、税金が高くなり、経済成長はますます遠ざかる。

経済成長のためには、「政府の仕事を減らす」必要があるのだ。具体的には、「規制緩和」と「減税」の2つである。

成長やイノベーションを生み出すのは民間である。政府の役割とは、その成長やイノベーションを「促進する」ことであって、「妨害する」ことではないはずだ。

経済成長すれば、雇用も自然に生まれる。経済が落ち込めば、どう頑張っても雇用は減る。ましてや世界的な経済競争が激化している現在、「経済成長しない」という選択肢はありえない。

日本政府はますます規制強化と増税に向かっており、これは「成長戦略」ではなく「自滅戦略」である。減税がむずかしいのであれば、少なくとも規制緩和だけでも徹底的に進めなければ、日本はほんとうに生き残れない。

規制緩和にはカネがかからず、それを理解するアタマと、実行する決意さえあればできる。規制緩和は、それによって膨大な「機会費用」をなくすことができるので、これこそが日本最大の「埋蔵金」である。


関連エントリ:
田村耕太郎参議院議員「日本を30のシンガポールに分ける」
http://mojix.org/2009/10/01/30_singapore_in_japan
規制を緩和し、「構造」を変える
http://mojix.org/2009/02/12/kiseikanwa_naiju
成長論者と分配論者、その対立点と合意点
http://mojix.org/2009/02/04/seichou_bunpai2
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http://mojix.org/2009/08/24/jimin_minshu_goumon