2010.04.17
田原総一朗、佐々木俊尚の強烈な対談「なぜ新聞社はツイッターを恐れるのか」
現代ビジネス : 田原総一朗のニッポン大改革 - なぜ新聞社はツイッターを恐れるのか
ITジャーナリスト・佐々木俊尚インタビュー vol.3(2010年04月16日)
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/460

これは強烈な対談。1回目2回目も面白かったが、特にこの3回目はすごい。

田原氏と佐々木氏という「怖い者知らず」の2人が全編「ぶっちゃけ」で語った、「聖域なき対談」という感じだ。

対談のはじめのほうに、「郷原を出すな」という話(検察捜査に批判的な郷原信郎弁護士をテレビ局が出さない)があり、これをはじめとして、マスコミの「腰抜け」ぶりが対談ではいくつか出てくる。これは結局のところ、日本の大手マスコミの人間は、会社に「首根っこ」(雇用)を押さえられている会社員に過ぎない、というところに原因がありそうだ。クビになったら転職がむずかしい日本では、会社員はどうしても「腰抜け」にならざるをえないところがある。

マスコミの場合、クビを恐れる会社員のポジションでは、会社やスポンサー、ネタ元の政府関係者にアタマが上がらないので、「真実」を報道するというジャーナリズムを貫徹するのはむずかしそうだ。どのマスコミも横並びの穏当な内容になりがちな理由のひとつがこれだろう(対談の中でも、「特オチ」を恐れるという業界話が出てくる)。

その点、個人名で勝負できる田原氏や佐々木氏のような独立系ジャーナリストは強い。また、好き勝手に書ける非職業ブロガーの強みもここにあるだろう。もちろん、ひとりひとりのジャーナリストやブロガーには偏りがあるが、「タブー」や「しがらみ」抜きで率直に書く人がたくさん集まることで、マスコミを超える「多様性」と「深さ」が実現できていると思う。

ちなみに、田原総一朗氏のツイッターアカウント「namatahara」は、この佐々木氏との対談がきっかけでできたらしい(対談の終わりのほうにその話がある)。田原氏はいつも率直で簡潔なので、すごくツイッターに向いていると思う。


関連エントリ:
「主観恐怖症」の日本
http://mojix.org/2009/10/11/shukan_kyoufu
マスコミに対するブログの強み
http://mojix.org/2009/01/13/blog_strength
パブリック空間が開放され、マスメディアの危機が訪れている
http://mojix.org/2005/10/31/233644