2012.08.07
右翼は内向き、左翼は下向き
以前、経済学者の松尾匡(ただす)氏による「右翼と左翼」の解説を紹介したことがある。

世界を上下に分けて下に味方するのが左翼、世界をウチとソトに分けてウチに味方するのが右翼
http://mojix.org/2010/10/15/matsuo-uyosayo

<世界を縦に切って「ウチ」と「ソト」に分けて、その間に本質的な対抗関係を見て、「ウチ」に味方するのが右翼である。
 それに対して、世界を横に切って「上」と「下」に分けて、その間に本質的な対抗関係を見て、「下」に味方するのが左翼である(図1)>。



この記事は大きな反響を呼び、はてなブックマークでは1000以上ものブックマークがついた。

この記事のタイトルである「世界を上下に分けて下に味方するのが左翼、世界をウチとソトに分けてウチに味方するのが右翼」というのは、松尾氏の解説からほぼそのまま採ったものだが、フレーズとしてはやや長い。もう少し短くて、キャッチフレーズ風なものとして、

「右翼は内向き、左翼は下向き」

というのを思いついた。

右翼は「内」を向いていて、左翼は「下」を向いている。よって、右翼と左翼は1次元的に反対のものではなく、向いている方向自体が直交しているわけだ。

右翼と左翼は1次元的に反対のものではないということは、リバタリアニズムのポジションを説明するのに使われる「ノーラン・チャート」でもわかる。



ここでは、右翼の主要成分である「国家主義」(精神の軸)と、左翼の主要成分である「社会主義」(経済の軸)が直交している。より詳しくは、「右翼(国家主義)と左翼(社会主義)は反対概念ではなく、独立概念である」を読んでほしい。

「右翼は内向き、左翼は下向き」にしても、ノーラン・チャートにしても、右翼と左翼は1次元的に反対の概念ではなく、独立概念だというのが核心である。


関連エントリ:
世界を上下に分けて下に味方するのが左翼、世界をウチとソトに分けてウチに味方するのが右翼
http://mojix.org/2010/10/15/matsuo-uyosayo
右翼(国家主義)と左翼(社会主義)は反対概念ではなく、独立概念である
http://mojix.org/2010/10/14/left-and-right
ノーラン・チャート
http://mojix.org/2008/04/20/nolan_chart